総務部予防保健課 予防保健課の活動5

そして私は日々君の体調を確認し、一通りの施術を終え、日々の養生方法を伝えた。

「様子はどうかな。とりあえず局所の違和感は無くしておいたし、今晩はお酒なしでもぐっすり眠れると思うから、早めに風呂入って寝てくださいな。仕事のことはまた明日以降でね。」

「はい、分かりました。途中、湿気が熱を生んでどうとかって説明してもらいましたが、要するに?」

「要するに砂糖、炭水化物、油を控えなさいっていうことだね。あと冷たいものとアルコールも。ここまでくると拷問でしょ?だから、あんまりうるさくは言わないけど、まずはしっかり寝てくれってことだね。で、明日は木曜だから午前中、昼ご飯の前ぐらいにもういっかいココにおいで。」

「わ、分かりました。冷たいビールがダメなんですね。何食べよう。」

 

このような感じのやりとりが、ツイン工業の一角で日々行われるようになってもうすぐ半年が経過する。

総務部長曰く、有給休暇の消化率が上がっているのと、有給の取得申請が当日や事後ではなく、事前提出が増えてきているようだ。要するに体調不良が理由ではなく、計画的な有給取得が増えてきている証拠だと、総務部長は喜んでいる。

まだまだ動き始めたばかりの予防保健課の活動だが、評判は良いようだ。アツコくんは、神農や御堂鍼灸院との連携方法を、季節の移り変わりを取り入れながら様々な形で企画し始めている様子。社長もじっとしているはずがなく、10月の本格始動時には、対象を家族や友人にまで広げると言い始めている。こうなってくると私も色々とアイデアが湧いてくるが、まずは手が届く範囲の人々の健康を手助けすることで、予防保健課の存在感を示して行くことになるだろう。